リリース | 2005/04/20 |
---|---|
収録アルバム | スーベニア |
作詞 | 草野正宗 |
作曲 | 草野正宗 |
Contents
【春の歌】のコード進行と歌詞

コード
コードネームを実音で表しています。クリックするとそのコードの音が鳴ります。
度数
- メジャーのトニックを❶
- マイナーのトニックを❻m
とした場合の度数を表しています。ノンダイアトニックコードは赤文字で表記しています。
3和音
❶ | ❷m | ❸m | ❹ | ❺ | ❻m | ❼m-5 |
4和音
❶△7 | ❷m7 | ❸m7 | ❹△7 | ❺7 | ❻m7 | ❼m7-5 |
イントロ
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶ | ❹ | ❶/❸ | ❹ |
歌詞 |
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶/❸ | ❹ | ❺sus4 | ❺ |
歌詞 |
Aメロ
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶ | ❹ | ❶/❸ | ❹ |
歌詞 | 重い足でぬ | かるむ道を来た | トゲのある藪 | をかき分けてきた |
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶/❸ | ❹ | ❺sus4 | ❺ |
歌詞 | 食べられそうな | 全てを | 食べた |
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶ | ❹ | ❶/❸ | ❹ |
歌詞 | 長いトンネルを | くぐり抜けた時 | 見慣れない色に | 包まれていった |
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶/❸ | ❹ | ❺sus4 | ❺ |
歌詞 | 実はまだ始 | まったとこ | だった |
Bメロ
コード | ||||
度数 | ❷m | ❻m | ❹ | ❶ |
歌詞 | 「どうでもいい」と | か そんなこ | とば(言葉)で汚れた |
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❷m | ❶/❸ | ❹ | ❺ |
歌詞 | 心 い | ま(今) は | な(放) | て 春の |
サビ
コード | ||||
度数 | ❹ ❺ | ❻m ❸m | ❹ ❺ | ❻m |
歌詞 | 歌 | 愛と希望よ | り前に響 | く 聞こえ |
コード | ||||
度数 | ❹ ❺ | ❻m ❸m | ❹ ❺ | |
歌詞 | るか? | 遠い空に | 映る君に |
間奏1
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶ | ❹ | ❶/❸ | ❹ |
歌詞 | も |
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶/❸ | ❹ | ❺sus4 | ❺ |
歌詞 |
Aメロ
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶ | ❹ | ❶/❸ | ❹ |
歌詞 | 平気な顔でかな | り無理してたこと | 叫びたいのに懸 | 命に微笑んだこと |
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶/❸ | ❹ | ❺sus4 | ❺ |
歌詞 | 朝の光に | さらされ | ていく |
Bメロ
コード | ||||
度数 | ❷m | ❻m | ❹ | ❶ |
歌詞 | 忘れかけ | た 本当は | 忘れたくない |
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❷m | ❶/❸ | ❹ | ❺ |
歌詞 | 君の名 | を な | ぞ | る 春の |
サビ
コード | ||||
度数 | ❹ ❺ | ❻m ❸m | ❹ ❺ | ❻m |
歌詞 | 歌 | 愛も希望も | つくりはじめ | る 遮 |
コード | ||||
度数 | ❹ ❺ | ❻m ❸m | ❹ ❺ | |
歌詞 | るな | 何処までもつ | づ(続)くこの道 |
大サビ
コード | ||||
度数 | ❻m | ❻m | ❸m | ❸m |
歌詞 | を | 歩いて | いくよ | サルの |
コード | ||||
度数 | ❹ | ❹ | ❶ | ❶ |
歌詞 | ままで | 孤り |
コード | ||||
度数 | ❻m | ❻m | ❸m | ❸m |
歌詞 | 幻 | じゃなく | あ |
コード | ||||
度数 | ❹ | ❹ ❺ | ||
歌詞 | る(歩)いて | い |
間奏2
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶ | ❹ | ❶/❸ | ❹ |
歌詞 | く |
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶/❸ | ❹ | ❺sus4 | ❺sus4 |
歌詞 |
コード | ||||
度数 | ❺sus4 | ❺ | ||
歌詞 | 春の |
サビ
コード | ||||
度数 | ❹ ❺ | ❻m ❸m | ❹ ❺ | ❻m |
歌詞 | 歌 | 愛と希望よ | り前に響 | く 聞こえ |
コード | ||||
度数 | ❹ ❺ | ❻m ❸m | ❹ ❺ | ❶ |
歌詞 | るか? | 遠い空に | 映る君に | も 春の |
コード | ||||
度数 | ❹ ❺ | ❻m ❸m | ❹ ❺ | ❻m |
歌詞 | 歌 | 愛も希望も | つくりはじめ | る 遮 |
コード | ||||
度数 | ❹ ❺ | ❻m ❸m | ❹ ❺ | ❼♭△7 |
歌詞 | るな | 何処までもつ | づ(続)くこの道 | を |
コード | ||||
度数 | ❼♭△7 | |||
歌詞 | を |
アウトロ
コード | [DonA][Aon#C] | [DonA][EonA] | [DonA][Aon#C] | [DonA] |
度数 | ❹/❶ ❶/❸ | ❹/❶ ❺/❶ | ❹/❶ ❶/❸ | ❹/❶ ❶ |
歌詞 |
重い足でぬかるむ道を来た トゲのある藪をかき分けてきた
食べられそうな全てを食べた
長いトンネルをくぐり抜けた時 見慣れない色に包まれていった
実はまだ始まったとこだった
「どうでもいい」とか そんな言葉で汚れた
心 今放て
春の歌 愛と希望より前に響く
聞こえるか? 遠い空に映る君にも
平気な顔でかなり無理してたこと 叫びたいのに懸命に微笑んだこと
朝の光にさらされていく
忘れかけた 本当は忘れたくない
君の名をなぞる
春の歌 愛も希望もつくりはじめる
遮るな 何処までも続くこの道を
歩いていくよ サルのままで孤り
幻じゃなく 歩いていく
春の歌 愛と希望より前に響く
聞こえるか? 遠い空に映る君にも
春の歌 愛も希望もつくりはじめる
遮るな 何処までも続くこの道を
【春の歌】のコード進行を分析
イントロ
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶ | ❹ | ❶/❸ | ❹ |
歌詞 |
コード | [Aon#C] | |||
度数 | ❶/❸ | ❹ | ❺sus4 | ❺ |
歌詞 |
分数コードが登場してややこしそうに見えますが、一旦「ベース音」と「上モノのコード」を切り離して見てみましょう。
上モノのコード(ギターが弾いているコード)だけで見てみると、
❶ →❹ →❶ →❹ →❶ →❹ →❺sus4 →❺
という風になっています。コレをシンプルに考えると、「❶と❹を交互に繰り返したあとに❺に進行」ということになります。こう考えると難しくありませんね。
8小節目のEに解決するための「じらし」
春の歌のイントロの構成を大きく捉えると
❶→❹→❺
ですが、そうすんなりとは進行しません。
個人的には「じらし」を演出しているのではないか?という解釈をしています。
溜めて溜めてじらすことによって、ストーリーの流れをつくっています。
まず❶→❹を3回も繰り返していますね。3回も同じことを繰り返されると、聴いている方としては「そろそろ次の動きが来るのでは?」という心理が働きます。
そしてその期待に応えるように❺に進行するわけですが、そこで待ち受けていたのは単純な❺ではなく❺sus4です。
❺sus4を聞かされると、❺に進行してほしい心理が働きます。ここでもじらされるわけです。
そしてようやく、8小節目にめでたく❺に進行して「やっとここにたどり着いたか!」とホッと一息です。
1〜7小節目のコードは、8小節目の❺に収束させるための「壮大なじらし」なのではないでしょうか。
じらしの引き立て役「A音」
さて、このイントロの8小節間の「じらし」のドラマをさらに引き立てる役目を担っているキャラがいます。
それは「A音」です。
「A音のライン」が、最後の❺で美しく収束されるこのコード進行を演出しています。
どういうことかというと、まず7〜8小節目の
❺sus4→❺
のコードを見てみましょう。このコード進行の解決を担うのは「A音→G#音」という音の流れです。
解決先の❺の構成音のうち、3度にあたるG#音を1度ずり上げてA音にしている状態が❺sus4です。
つまり、❺sus4に含まれるA音がG#音に下がることで、「❺への解決」が成立しているんですね。
ここで、一旦1〜6小節目に目を移してみましょう。
❶と❹を行ったり来たりしていますが、❶にも❹にも共通して含まれている音がA音です。
鳴り続けたA音は、7小節目に入っても❺sus4の4度の音として鳴り続けます。
つまり、8小節目の❺に至るまで、最初からずーっとA音が鳴り続けているということです。
ずーっと鳴り続けたA音が、8小節目についに半音下がってG#に到達して❺が奏でられることにより、じらしのドラマは終焉を迎えることとなります。
A音がずーっと鳴り続けていたからこそ、8小節目の❺への解決感がより一層増すのだと思います。
分数コードの不安定さの役割
さて、ここまでは春の歌のイントロのコード進行について、分数コードの「ベース音」を除外した状態で考察してきました。
ここからは分数コードのベース音がどのようにコードの響きに作用しているかを見ていきましょう。
この分数コードは❶/❸[Aon#C]ということになっていますが、どういうことかというと主たるコードは❶
であり、ベース音がC#音を鳴らしているということですね。このC#音というのは❶
の構成音に含まれています。3度の音にあたります。❶
と❶/❸[Aon#C]を聴き比べると、❶/❸[Aon#C]のほうが安定しません。地に足がついていないというか、フワフワしている感じに聞こえます。1度の音ではなく3度の音がベース音になっているのですから、当然ですね。
この分数コードによる「不安定さ」が、イントロを聴いたときに喚起される「解決してほしい感」を強めているのではないかと考えられます。
作曲のテクニックとして
この春の歌のイントロのコード進行の事例から、作曲のアイデアとしても学ぶことができます。
たとえば、まず「A音→G#音の解決感を強調したい」ということを起点として、コード進行を組み立てるという考え方です。
「そのために、最初からずっとA音を鳴らして引っ張ると良いのでは?」
「じゃあ、A音を含むコードだけでコード進行を構成しよう」
というような感じで、コード進行ありきの作曲ではなく「音の流れ」や「強調したいコードの機能」を先に定義し、そこから逆算してコード進行を考えるということです。
Aメロ
↑Aメロから再生されます
Bメロ
↑Bメロから再生されます
サビ
↑サビから再生されます
間奏
大サビ
↑大サビから再生されます
アウトロ
(Youtube)
http://gakufu.gakki.me/m/data/DT10440.html