本当は「丸の内サデスティック」ではなく「丸の内サディスティック」です。
「丸の内サデスティック」と検索している人が多いようなのであえてタイトルにはこう書きましたが、念のため。
丸の内サディスティックのコード進行

コード
コードネームを実音で表しています。クリックするとそのコードの音が鳴ります。
度数
- メジャーのトニックを❶
- マイナーのトニックを❻m
とした場合の度数を表しています。ノンダイアトニックコードは赤文字で表記しています。
イントロ
コード | ||||
度数 | ||||
歌詞 | 報酬は入 |
Aメロ
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶7 |
歌詞 | 社後 平 | 行線で | 東京は愛せ |
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶7 |
歌詞 | ど 何 | もない | リッケン |
Bメロ
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❺ | ❶△7 | ❸m |
歌詞 | 62 | 0頂戴 | 19 |
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❺ | ❶△7 | ❸7 |
歌詞 | 万も | 持って居ない | 御茶の水 |
サビ
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶7 |
歌詞 | マーシャルの匂 | いで 飛ん | じゃって 大 | 変さ |
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶7 |
歌詞 | 毎晩絶頂 | に 達し | て居るだ | け |
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶7 |
歌詞 | ラット1つを | 商売道 | 具にしてい | るさ そし |
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶7 |
歌詞 | たらベンジー | が 肺 | に 映って | トリップ |
セクションごとにコード進行を分析
この曲は、Bメロと一部の間奏をのぞいて「❹△7→❸7→❻m7→❶7」というコード進行で構成されています。
このコード進行はいわゆる「just the two of us進行」と呼ばれるもので、洋楽・邦楽を問わず、さまざまなジャンルの音楽で多様されている王道の循環コード進行です。
この循環だけで構成されている曲もたくさんあります。
イントロ
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶7 |
×4
イントロは16小節。1小節ずつ「❹△7→❸7→❻m7→❶7」という風に進行し、これを4回繰り返します。
2小節目のG7はノンダイアトニックコード
まずサブドミナントである❹△7
から始まり、1度下がって❸7 に進行します。❸m7ではなく❸7なので、ノンダイアトニックコードになります。
❸7ソ#シレ)
ノンダイアトニックコード(ミ❸m7ソシレ)
ダイアトニックコード(ミ❸(ミ)をルートとしてふつうに3度ずつ音を積んだ場合は「ミソシレ」となり、❸m7
(マイナーコード)ができあがります。これはダイアトニックコードです。しかし、ここでは❸7
(メジャーコード)になっています。「ミソ#シレ」という風に3度のソに#がついていますね。なぜ❸m7その次のコードである❻m7 につなげるためです。
ではなく❸7 にしているのかというと、2小節目のG7は3小節目のCm7に対するドミナント
別に「❸m7→❻m7」の進行でもつなぐことはできるんですが、「❸7→❻m7」にすることによって、❸7
が「❻m7 に対するドミナントコード」として機能し、より❻m7 への解決感が強まるというわけです。❸7
→ ❻m7- ドミナントモーションになるので、より解決感が強まる
❸m7
→ ❻m7- ドミナントモーションになっていない
そういう狙いがあり、2つ目のコードは❸m7
ではなく❸7 にしているんですね。そして❻m7
から4つ目のコードである❶7 に進行します。マイナーのトニックからメジャーのトニックに3度上昇です。その❶7
から1つ目の❹△7 へ戻ることで「❹△7→❸7→❻m7→❶7」の1サイクルが完結し、循環していきます。ちなみに、この「❶7→❹△7」の動きもドミナントモーションになっています。「❹△7→❸7→❻m7→❶7」というコード進行が一周する間には、2回ドミナントモーションがおこなわれているということになります。
Aメロ
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶7 |
×2
Aメロはイントロと同じ「❹△7→❸7→❻m7→❶7」のコード進行です。
4小節×2回で、8小節です。
Bメロ
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❺ | ❶△7 | ❸m |
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❺ | ❶△7 | ❸7 |
Bメロに来て初めてコード進行が変化します。
「❹△7→❺→❶△7→❸m」という風に、サブドミナント→ドミナント→トニックというシンプルな流れになっています。
Aメロに比べると、少し明るい印象を抱きませんか?それは、着地点のコードがメジャーコードかマイナーコードかの違いによるものです。
AメロとBメロとでは着地点のコードが違う
丸の内サディスティックのコード進行は、AメロもBメロも着地点を3小節目に置いています。「1小節目→2小節目→3小節目」というふうに、3小節単位でひとつの物語が形成されていると考えてみると、AメロとBメロの違いがよくわかると思います。
Aメロは3小節目に❻m7
を着地点として、「❹△7→❸7→❻m7」というふうな流れをつくっています。❻m7
に自然に行き着くように、その手前に❸7 を置いてドミナントモーションをつくっているというのは、すでに説明した通りです。❹△7
→ ❸7 → ❻m7- 3小節目の はマイナーのトニック(ラ)
ではBメロはどうなのかというと、3小節目に置いているのは❶△7
です。つまりメジャーのトニックですね。トニックに自然に流すように、その直前に❺
を置いて「❹△7→❺→Ⅰ」という流れになっているわけです。❹△7
→ ❺ → Ⅰ- 3小節目の はメジャーのトニック(ド)
Aメロの流れは、この曲のキーをCマイナーとした場合の終止形であり、Bメロの流れはE♭メジャーとした場合の終止形です。だからAメロは暗く、Bメロは明るく感じるというわけです。
CマイナーとE♭メジャーは平行調の関係にあり、言ってしまえば「同じキー」です。
キーはCマイナー?E♭メジャー?
ところで、この曲のキーはCマイナーかE♭メジャーかどっちなんでしょうか?
Bメロだけを見ればE♭メジャーということになるでしょうが、Aメロやサビ、イントロなど、この曲の大部分がCマイナーの終止形を占めていることを考えると、Cマイナーというほうが妥当なのではないかと思います。
その一方で、Aメロやサビでのメロディーの終わりがどれもE♭の音になっているので、メロディーだけで見れば完全にE♭メジャーだと言えます。
暗いコードに明るいメロディーを乗せる。それによってメジャーなのかマイナーなのかが曖昧な世界を演出することができる(・・・と椎名林檎が狙ってつくったのかどうかはわかりませんが)というのは、平行調の面白いところですね。
サビ
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶7 |
×4
サビもAメロやイントロと同じく「❹△7→❸7→❻m7→❶7」のコード進行です。
4小節×4回で、16小節です。
間奏1
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶△7 |
×3
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸7 | ❻m7 | ❶7 |
1番のサビが終わったあとの間奏です。
「❹△7→❸7→❻m7→❶△7」を3回、「❹△7→❸7→❻m7→❶7」を1回という進行で、16小節になっています。
最後の4小節の「❹△7→❸7→❻m7→❶7」はイントロやサビと同じコード進行ですが、1〜12小節の「❹△7→❸7→❻m7→❶△7」は、4小節目が少し変化しています。
❶7
ではなく、❶△7 になっています。よく聴かないとわからないと思いますが、7度の音が半音上がってメジャーセブンスになっていますね。
1〜12小節 ❶△7シ)
7度の音がメジャーセブンス(ドミソ13〜16小節 ❶7シ♭)
7度の音がセブンス(ドミソ7度の音がメジャーセブンスになっている
はドミナントではないため、ドミナントである に比べると に対する帰結感が薄いことがわかります。ドミナントに比べてまろやかな響がするので、そこを味わいながら聴いてみるのも一興です。
間奏2
コード | ||||
度数 | ❻ | ❻/❺ | ❸ | ❹△7 |
コード | ||||
度数 | ❻ | ❻/❺ | ❸ | ❹△7 ❷ ❸ |
2番のサビの後の間奏です。ベースソロのパートですね。
1小節目は❻ 。2小節目はベース音だけが全音下がって❻/❺ /B♭になっています。
これは分数コード(オンコード)と呼ばれるもので、ベース音がコードのルート以外の音になっているコードです。
アウトロ
タテュー
バーチャル飲茶にティー
サデスティックではなく、サディスティック
丸の内サディスティックの歌詞(ふりがな付き)
ほうしゅうはにゅうしゃごへいこうせんで
報酬は入社後並行線で
とうきょうはあいせどなにもない
東京は愛せど何にも無い
りっけんしっくすつーおーちょうだい
リッケン620頂戴
じゅうきゅうまんももっていない おちゃのみず
19万も持って居ない 御茶の水
まーしゃるのにおいでとんじゃってたいへんさ
マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
まいばんぜちょうにたっしているだけ
毎晩絶頂に達して居るだけ
らっとひとつをしょうばいどうぐにしているさ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらべんじーがはいにうつってとりっぷ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ
さいきんはぎんざでけいかんごっこ
最近は銀座で警官ごっこ
こっきょうはこえてもじょうしゃひっすい
国境は越えても盛者必衰
りょうしゅうしょをかいてちょうだい
領収書を書いて頂戴
ぜいりしなんてついていない こうらくえん
税理士なんてついて居ない 後楽園
しょうらいそうになってけっこんしてほしい
将来僧に成って結婚して欲しい
まいばんしんぐでゆうぎするだけ
毎晩寝具で遊戯するだけ
ぴざやのかのじょになってみたい
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらべんじー あたしをぐれっちでぶって
そしたらベンジー あたしをグレッチで殴って
あお かんでいってちょうだい
青 噛んで熟って頂戴
しゅうでんでかえるってば いけぶくろ
終電で帰るってば 池袋
まーしゃるのにおいでとんじゃってたいへんさ
マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
まいばんぜちょうにたっしているだけ
毎晩絶頂に達して居るだけ
らっとひとつをしょうばいどうぐにしているさ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらべんじーがはいにうつってとりっぷ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ
しょうらいそうになってけっこんしてほしい
将来僧に成って結婚して欲しい
まいばんしんぐでゆうぎするだけ
毎晩寝具で遊戯するだけ
ぴざやのかのじょになってみたい
ピザ屋の彼女になってみたい
そしたらべんじー あたしをぐれっちでぶって
そしたらベンジー あたしをグレッチで殴って
丸の内サディスティックの歌詞の意味
丸の内サディスティックの歌詞の中には、いろいろな名詞が登場しますね。
「ベンジー?リッケン?どういう意味なの?」と検索している人も多いようです。
ここでは、丸の内サディスティックに登場する単語の意味を紹介します。
丸の内
「丸の内」とは、東京都千代田区の地名です。皇居外苑と東京駅の間にあるオフィス街です。
ここで言う丸の内とは東京メトロの「丸ノ内線」のことを指しているものと思われます。
御茶ノ水・池袋・後楽園など、この歌に登場する地名はすべて丸の内線の駅のものです。
サディスティック
「サディスティック」とは、「サドとマゾ」のサドです。SMのSです。
相手に苦痛を与えることによって性的快感を得る性欲のことです。そういう性癖を持っている人のことをサディストといいます。
ちなみに対義語のMはマゾヒズム。マゾヒズムを持っている人のことをマゾヒストといいます。
「あたしをグレッチで殴って」という部分だけを見るとドMに感じますが。
リッケン620(読み方:りっけんしっくすつーおー)
「リッケン620」とはギターの名前です。正式にはrickenbacker(リッケンバッカー)620です。
アメリカのリッケンバッカー社製のギターの中でも、特に国内で人気のあるモデルです。
椎名林檎も初期の頃に使っていたそうです。値段は19万〜20万。
- リッケン620頂戴 19万も持って居ない 御茶の水
ベンジー
「ベンジー」とは浅井健一のあだ名です。
日本が誇るロックバンド、BLANKEY JET CITY(ブランキー・ジェット・シティ)の元ギター・ボーカルです。
他にもJUDE(ユダ)、SHERBETS(シャーベッツ)などのバンドや、ソロ名義でも活躍。個人的にも大好きなアーティストです。
椎名林檎がもっとも敬愛するミュージシャンのひとり。ベンジーがいなければこの歌はできていなかった・・・いや、椎名林檎というミュージシャン自体が存在しなかったかもしれません。
丸の内サディスティックの歌詞には、ベンジーが愛用する楽器や機材の名前が登場します。
- そしたらベンジーが肺に映ってトリップ
- そしたらベンジー あたしをグレッチで殴って
グレッチ
「グレッチ(Gretsch)」はギターの名前です。
アメリカのブランド、グレッチ社製のギターで、ベンジーが愛用しています。
- そしたらベンジー あたしをグレッチで殴って
マーシャル
「マーシャル(Marshall)」はアンプの名前・メーカーです。
イギリスのマーシャル・アンプリフィケーション (Marshall Amplification) 社のアンプのことを指します。
音楽スタジオなんかにも置いてある定番のメーカーなので、ギタリストやベーシストじゃなくてもミュージシャンなら知らない人はいないでしょう。
ベンジー愛用のアンプです。
- マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
ラット
「ラット(RAT)」は、エフェクターの名前です。
アメリカのプロコ(ProCo)社が製造しています。これもベンジーが愛用している機材です。
- ラット1つを商売道具にしているさ
丸の内サディスティックの歌詞の解釈
さて、単語の意味を理解すればこの歌詞の意味がわかるのかと言えば・・・正直「???」ですよね。
次はこの歌詞をどう解釈すればいいのか?について考えてみましょう。
もともとは英語の歌だった
調べてみると、どうやら丸の内サディスティックの歌詞はもともと英語でつくられていたようです。
それを英語のイントネーションを保ったまま日本語に置き換えたということです。
「だから意味不明なのか・・・」と言いたいところですが、実はそれだけではありません。
ただ感覚的に日本語に置き換えただけではなく、きちんと意味のある歌詞になっているのでは?という解釈もできるようです。
この歌詞の解釈についてはネット上でも複数あるようで、たとえば「ベンジーを好きすぎることを表した歌詞」「ドラッグに落ちていく様を描いた歌」といった感じです。
どちらの解釈もそれぞれに納得させられるところがあり、もしそのような意味や設定があって、それをあのような歌詞で表現したのだとすれば、椎名林檎の作詞力に驚嘆せざるを得ません。
まあ、実際の解釈については椎名林檎本人にしかわからないところではありますが、リスナーが推測した解釈を比較してみるのもおもしろいです。
- ベンジー大好き説
- ドラッグ説
に分けて、それぞれの歌詞の解釈を見ていきましょう。
ベンジー大好き説
報酬は入社後並行線で 東京は愛せど何にも無い
地方から東京にやってきてOLをしている女性が歌の主人公。池袋や後楽園など、丸の内沿線で生活している。
しかし給料はずっと横ばいで、賑やかな東京の街でなんとなく投げやりな気持ちで虚しく生きているという解釈です。
リッケン620頂戴 19万も持って居ない 御茶の水
御茶の水には楽器屋が多いのです。しかし入社後平行線の給料では19万円もするリッケン620も買えない。
リッケンの件のあとに続くラットやベンジーといった歌詞からも、主人公の女性はロックが大好きだということがうかがえます。
銀座で警官ごっこ
「警官ごっこ」とは婦人警官のコスプレをすることだという解釈です。
銀座にはコスプレのパブなどが多く存在するそうで、昼はOL、夜は風俗といったような生活を始めたということを表しているということです。
また、続いて「国境は超えても盛者必衰」という歌詞もありますが、これは南米や東南アジアから日本に出稼ぎにきて売春をおこなっている人や店がたくさんあり、それらの盛衰を表しているという解釈です。
領収書を書いて頂戴 税理士なんてついていない後楽園
銀座のコスプレパブは税理士がつくほどの安定した経営をおこなっているわけではなく、自宅の最寄駅までは電車で帰らせているとのこと。
そこからはタクシーを拾うことを許可していて、そのときの領収書のことを表しているという解釈です。
ドラッグ説
マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
マーシャルのアンプから出る音は太く、そこから強い匂いのするドラッグであるマリファナを表しているのだろうという解釈。
マリファナはドラッグの中でも唯一匂いが強いのだとか。
銀座で警官ごっこ
「警官ごっこ」とはドラッグ仲間を探すことを指す言葉だそうです。
銀座は薬がはびこる街ということからも、一理あるように思えますね。
領収書を書いて頂戴 税理士なんてついていない後楽園
後楽園は渋谷や池袋と比べて閑静な街なので、周辺を気にせずにドラッグをつくりやすいとのこと。
プッシャーやドラッグ仲間からドラッグを買うときに、高価なものには領収書がついてくるそうです。
イントロのG7の説明のところで腑に落ちない部分があるので教えていただきたいです。
G7のルートをミにしてノンダイアトニックコード(ミソ#シレ)……と説明なさっていますが、G7のルートはソで、ソシレファではないのでしょうか…
Gm7はミソシレとありますが、Gm7はソシ♭レファですので、こちらも何か違う気がします。
コードに詳しいわけではなく、とても勉強になる記事でしたが、そこだけよくわからず混乱してしまいましたので、宜しければご説明頂けると嬉しいです。
はなさん
ご質問ありがとうございます!お返事が遅くなりました。
ドレミファソラシドが表しているのは、「音名」ではなく「階名」です。
音名の「CDEFGABC」は実音を表す表記です。「絶対的」な音の高さを表します。
対して、階名の「ドレミファソラシド」というのは、そのKeyの中での「相対的」な音の高さを表します。
■Key=Cの場合
音名:C D E F G A B C
階名:ドレミファソラシド
■Key=E♭の場合
音名:E♭ F G A♭ B♭ C D E♭
階名:ドレミファソラシド
どのKeyであっても、そのKeyの中心の音は階名では「ド」と表します。
Key=CのドミソはCメジャー
Key=E♭のドミソはE♭メジャー
ということになります。
G7というコードは、Key=Cの曲においてははなさんのおっしゃる通り「ソシレファ」になりますが、Key=E♭の曲においては「ミソシレ」になるということです。
ちなみに、今説明したような「ドレミファソラシド」を相対的な階名として捉える方法を「移動ド」と言いますが、それとは別に「固定ド」という捉え方もあります。
「固定ド」で捉えた場合は、「ドレミファソラシド」と「CDEFGABC」が完全にイコールになります。Keyが何であれ、C=ドであり、E♭=ミ♭です。
「移動ド」と「固定ド」のどちらが正しいという話ではなく、捉え方の違いです。人によってどっちの捉え方をするのかの違いがある、ということです。
なので、階名の話をするときにはこの前提条件を一致させておかないと、お互いの言い分に食い違いが出てきます。
はなさんのおっしゃる「G7はソシレファでは?」というのは、「固定ド」を前提とした話であれば成立する主張になります。その曲のKeyがCだろうがE♭だろうが、G7は「ソシレファ」と表しますので。
当ブログでは「移動ド」を前提としてお話しています。