コード進行分析

マイナーKeyにおけるディグリーネームの表記法について

当ブログでのディグリーネーム(度数)の表記の仕方は、「メジャーKey」で統一しています。

「明らかにマイナーKeyである」ことを示唆するコード進行が大部分を占めているような曲であったとしても、メジャーKeyに置き換えて表記しています。

たとえば「Key=Aマイナー」のナチュラルマイナースケールの3和音ダイアトニックコードをディグリーネームで表記する場合、平行調にあたる「Key=Cメジャー」に置き換えて下記のように記しています。

「Key=Aマイナー」を「Key=Cメジャー」に置き換えて表記
Am Bm-5 C Dm Em F G
❻m ❼m-5 ❷m ❸m

「Key=Cメジャー」のトニックCを❶

と捉えるので、トニックのAmは❻mとなるわけですね。

ここでは、マイナーKeyのディグリーネームの表記の仕方について書いておきます。

2つのマイナーKeyのディグリーネーム表記法

マイナーKeyのディグリーネーム表記法には、2つあります。

2つのマイナーKeyのディグリーネーム表記法
  1. 「マイナーKeyのトニック」を❶mとして順番に番号を振っていく
  2. 「平行調のメジャーKey」に置き換えて番号を振っていく

具体的に説明するために、「Key=Aマイナー」をディグリーネームで表記する場合で見てみましょう。

「Key=Aマイナー」のディグリーネーム表記法
  1. 「Key=Aマイナー」として番号を振る
  2. 「Key=Cメジャー」に置き換えて番号を振る
Am Bm-5 C Dm Em F G
「Key=Aマイナー」として ❶m ❷m-5 ❸♭ ❹m ❺m ❻♭ ❼♭
「Key=Cメジャー」として ❻m ❼m-5 ❷m ❸m

こんな感じになります。

コレはどちらが正解ということはなく、コードの捉え方の違いによって表記の仕方が変わっているだけなんですね。

「Key=Aマイナー」として捉える表記法は、「Key=Aマイナー」を「Key=Cメジャー」とは別のモノとして捉えた場合の書き方です。

実際のところ、ほとんどの音楽理論のサイトや書籍ではその表記の仕方を採用していると思います。

マイナーKeyのディグリーネームをメジャーKeyに置き換える理由

では、なぜ当ブログではマイナーKeyのディグリーネームを「平行調のメジャーKey」に置き換えて表記しているかというと、次の理由のためです。

ディグリーネームをメジャーKeyに置き換える理由
  1. ディグリーネームの表記法を1つ覚えるだけで済む
  2. ダイアトニックとノンダイアトニックの区別がしやすい

早い話が、メジャーKeyに置き換えたほうがわかりやすくて簡単で使いやすいでしょ?というコトなんです。

では詳細をみていきましょう。

1.ディグリーネームの表記法を1つ覚えるだけで済む

ディグリーネームをメジャーKeyとマイナーKeyとで「別個のモノ」として使い分けるとなると、ディグリーネームの表記法を2つ覚えないといけません。

コレ、めっちゃ大変だし面倒じゃないですか?ぼくには無理です。

たとえば「Key=Aマイナー」で

というコード進行が出てきたとき、平行調の「Key=Cメジャー」のディグリーネームに置き換えて捉えると

❹ ❸7 ❻m ❷7

になります。これを「Key=Aマイナー」として捉えると

❻♭ ❺7 ❶m ❹7

という表記になります。

同じ曲で同じコード進行なのに、メジャーKeyで捉えるかマイナーKeyで捉えるかによって表記がまったく別モノになるんですね。

で、たとえば後者の

❻♭ ❺7 ❶m ❹7

というディグリーネームを見て、どんな響きがするコード進行なのかイメージできるでしょうか?

あるいは、「コレはマイナーKeyのディグリーネームで書かれていて、つまり平行調のメジャーKeyにおける『❹ ❸7 ❻m ❷7』だな!」

とすばやく変換できればいいんですが・・・できるでしょうか?

そもそも「コードの機能を瞬時に把握できる」のがディグリーネームを利用する大きなメリットなのに、メジャーKeyとマイナーKeyとで分けてしまうことによってそれがやりづらくなってしまっては本末転倒のような気がします。

この表記の方法で慣れている人には問題ないでしょうが・・・。

個人的には、メジャーKeyのディグリーネームだけ覚えておいて、

を聴いたら

❹ ❸7 ❻m ❷7

を連想できるようにしておけばそれで良いんじゃないかと思っています。

2.ダイアトニックとノンダイアトニックの区別がしやすい

ナチュラルマイナースケールの場合

❶m ❷m-5 ❸♭ ❹m ❺m ❻♭ ❼♭
❻m ❼m-5 ❷m ❸m

ダイアトニックコードなのにルートに♭を付けなければいけない

ダイアトニックとノンダイアトニックの区別がつきにくく、瞬時に判断しづらい

前者の表記の仕方であれば、「ディグリーネームに#や♭が付いていたら、ルート音がノンダイアトニック」ということが一目瞭然

  • ❻m:ダイアトニック
  • ❻♭m:ノンダイアトニック
  • ❸m:ダイアトニック
  • ❸♭m:ノンダイアトニック

でも後者の表記の仕方の場合、ダイアトニックとノンダイアトニックの区別がややこしくなる

  • ❻♭:ダイアトニック
  • ❻:ノンダイアトニック
  • ❸♭:ダイアトニック
  • ❸:ノンダイアトニック

❸❻❼は♭がついているほうがダイアトニックになる

❸と❻と❼に♭をつけなければいけない

その曲のKeyがメジャーかマイナーかはどっちでもいい

さて、ここまでで「ディグリーネームの表記をメジャーKeyに統一している理由」について書いてきましたが、いかがでしょうか?

平行調同士の「メジャーKey」と「マイナーKey」を別個のモノとして捉えるのではなく、「お互いに包括し合うモノだ」という捉え方をしたほうが、圧倒的にラクでわかりやすいと思いませんか?

このように言うと、「明らかにマイナーKeyの曲なのにメジャーKeyで捉えて問題ないの?」と思う人もいるかもしれませんが、問題ありません。

むしろコード進行を分析したりアレンジする際には、メジャーKeyとマイナーKeyを分けて捉えるほうが混乱をきたすと考えています。

そもそも、理論上の話「こうだったらマイナーKeyだ」というような明確な線引きはありません。

そして1曲の中でメジャーKeyとマイナーKeyを行ったり来たりするのが通例です。その曲のどの箇所を切り取るのかによってメジャーKeyと呼ぶべきかマイナーKeyと呼ぶべきかが決まる場合もあるでしょう。

たとえば

  • Aメロ:「Key=Cメジャー」
  • Bメロ:「Key=Aマイナー」
  • サビ:「Key=Cメジャー」

こういう曲の場合、Aメロやサビだけを見れば「Key=Cメジャー」ですが、Bメロだけを見れば「Key=Aマイナー」ということになるでしょう。

ですが、どちらも同じKeyです。平行調の中で行き来しているだけです。

Bメロに入って「Key=Aマイナー」に切り替わったからといってわざわざ「転調した」とは言わないでしょう。言う人もいますが、個人的には平行調の間の移動は転調とは呼ばないことにしています。

それを転調と呼んでしまうとどんな曲でも転調しまくりというコトになってしまい、本来の「転調」という言葉に含まれる意味や定義がおかしくなってしまうと考えているからです。

つまり、コード進行分析においてその曲のKeyがメジャーなのかマイナーなのかはどっちでも良い話であり、わざわざ議論したり考えたりすること自体ナンセンスではないか・・・というコトです。

であるならば、ディグリーネームの付け方だってメジャーKeyに統一して考えた方がわかりやすくて簡単で応用を効かせられやすくて良いことづくめだと思うんですね。

分けて考える意味や必要性がわかりません。

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