「ナポリの六度」に関する考察・メモ
捉え方や定義には諸説あり、それぞれを分析して考察
Contents
「ナポリの六度」の捉え方・定義の違い
- サブドミナントマイナーの5度が半音上がったコード
- マイナーKeyにおける短2度の音をルートとするメジャートライアドの第一転回形
- マイナーKeyにおける❷m-5のルートだけを半音下げたコードの第一転回形
1.サブドミナントマイナーの5度が半音上がったコード
サブドミナントマイナーは
「ファ・ラ♭・ド」
・・・の「ド」が半音上がって「ファ・ラ♭・レ♭」
このとき、「ファ・レ」の音程が短6度になる
2.マイナーKeyにおける短2度の音をルートとするメジャートライアドの第一転回形
マイナーKeyにおける短2度の音(シ♭)をルートとするメジャートライアドは
「シ♭・レ・ファ」
・・・の第一転回形は「レ・ファ・シ♭」
このとき、「レ・シ♭」の音程が短6度になる
3.マイナーKeyにおける❷m-5のルートだけを半音下げたコードの第一転回形
マイナーKeyにおける❷m-5(メジャーKeyにおける❼m-5)は
「シ・レ・ファ」
・・・のルート「シ」だけを半音下げると「シ♭・レ・ファ」
・・・の第一転回形は「レ・ファ・シ♭」
このとき、「レ・シ♭」の音程が短6度になる
それぞれの差異と共通点
2と3は音の導き方が違うだけで、内容は同じ
しかし1と2・3とでは階名の捉え方が違う
- 1は「ファ・ラ♭・レ♭」
- 2・3は「レ・ファ・シ♭」
いずれも「機能としてはサブドミナントという解釈をしている」という点は共通
2・3の「レ・ファ・シ♭」は、サブドミナントの代理コード❷m「レ・ファ・ラ」を原型と捉えている
(「レ・ファ・ラ」は、マイナーKeyで数えるとサブドミナント)
考察
別名「ナポリの二度」の由来について
ナポリの六度は「ナポリの二度」という呼び方もあるらしいが、その理由は?
1
1の「ファ・ラ♭・レ♭」を第一転回形と仮定した場合、転回していない正規の形は
「レ♭・ファ・ラ♭」
レ♭をルートとしたメジャートライアドと捉えることができる
つまり、メジャーKeyにおける2番目のコード(正確には2番目は長2度。コレは短2度)
2・3
2・3の「レ・ファ・シ♭」は第一転回形と捉えられることが一般的で、転回していない正規の形は
「シ♭・レ・ファ・」
つまり、マイナーKeyにおける2番目のコード(正確には2番目は長2度。コレは短2度)
裏コードとの関係は?
1の「ファ・ラ♭・レ♭」を第一転回形と仮定した場合、転回していない正規の形は
「レ♭・ファ・ラ♭」
・・・に短7度の音をつけると
「レ♭・ファ・ラ♭・シ」
つまり、ドミナント「ソ・シ・レ・ファ」の裏コードと同じ構成音
でも、この2つを同義と捉えるべきではない?なぜならナポリの六度は、機能としてはあくまでもサブドミナントだから