ある時期から、ペンタトニックスケールでアドリブができるようになった
なにがキッカケでできるようになったのかを考えてみたら、2つの重要なポイントが見つかった
フレーズを視覚化する
インターバルを把握する
おそらく、これではないか・・・?
ペンタトニックでアドリブができない人にとって、もしかしたらヒントになるかもしれないので書き留めておく
フレーズを視覚化する
まず、「フレーズを視覚化する」ということ
メロディーや何かのフレーズを聴いたときに、そのフレーズの形を頭に浮かべるということ
DTM(desk top music)のピアノロールという機能をご存知でしょうか?
図
ピアノロールというのは音の高さや長さを、グラフィカルに表示・編集できる機能です。
縦軸が音の高さ、横軸が時間を表しています。上に音を配置すれば、高い音が出ます。音を長くしたければバーを右に長く引っ張ればいいんですね。
これは、「音を視覚化」したものと言えます。
こんな感じで昔からDTMで打ち込みをやっていたので、自然とフレーズを視覚化する習慣が身についていました。
テレビなどを何気なくボーっと見ているときでも、耳に入ってきたメロディーを無意識に視覚化している
五線譜と音符に慣れ親しんでいる人は、音符をイメージするのかもしれません
話がそれましたが、この「フレーズを視覚化する」ということが、ペンタトニックに限らず、メロディーを即興で生み出す上で重要なのではないかと思います。
相対音感が磨かれる
たとえば、このフレーズを聴いてください。
ミソラミドラーラーソラ(音を鳴らす)
どうですか、頭の中にフレーズをイメージできますか?
ぼくは頭の中でこのような図が浮かぶ
図
フレーズを聴くと「音の高さ」や「音の長さ」といった情報が瞬時に頭の中で変換されて、このようなグラフのように頭に描かれる
視覚化というと大げさかもしれない
ぼんやりと、なんとなくフレーズの形が頭に浮かぶ感じ
この感覚が磨かれてくると、たとえば前後の音の高さの差(つまり音程)を正確に把握できるようになる
ドレーというフレーズを聴けば「全音上がった」とわかるし、ファミーというフレーズを聴けば「半音下がった」とわかるし、ミラーというフレーズを聴けば「完全4度上がった」とわかるようになる
相対音感が磨かれる
そうなると、頭の中に思い浮かんだフレーズを楽器を通して音に出すとき、どの音を選べば良いのかがわかるようにもなる
凡人ならではのやり方
フレーズの視覚化。
「そんなことしなくても、音をとらえられるよ!」という人にとっては、もちろん不要なプロセスだと思います。
そもそも、天才的な音楽センスの持ち主や絶対音感を持っている人は、視覚化などしなくても聴覚だけで音を聴き分けられるし、自由自在に音を紡げるでしょう。
しかし、ぼくのように超人的な耳を持っていない凡人は、相対音感を磨くしかない
相対的に音を把握するためには、フレーズを視覚化するのが有効なのではないか?ということ
聴覚で取り入れた音情報を一度頭の中で視覚化することにより、相対的な判断がしやすくなる
インターバルを把握する
頭の中にフレーズを視覚化するだけでは、良いアドリブはできないと思います。
視覚化することができたうえで、「インターバルを把握する」ということが大事なんじゃないかと思います。
ぼくの場合は、ペンタトニックスケールでアドリブができるようになったのは、これが決め手だったような気がしています。
フレーズをキーにフィットさせる
インターバルとは「ルートの音からの距離」のこと
AマイナーならAがルートになる
Aマイナー上でBの音を出したとき、2度上
Eは5度上
といった感じでルートであるAからの距離がどれぐらいか?どれぐらい離れたところにあるか?がインターバル、つまり「ルートの音からの距離」
これがわかるようになると、頭の中で視覚化したフレーズがキーにフィットするようになる
フレーズを視覚化することによって隣り合う音同士の音の距離は測れるけど、ルートからの距離は測れない
ルートからの距離、つまりインターバルをつかめるようになると、頭の中で鳴らしたいと思った音が、そのキーのどこに位置するのかが感覚的にわかるようになる
中心感覚を身につける
でも、「インターバルをつかめ」と言われても難しい
インターバルを把握するためには、そのキーの中心の音(トニック、主音、ルート)を意識する訓練をすればいい
AマイナーならAの音がトニック
DメジャーならDの音がトニック
Aマイナーの曲を聴いてみよう
メロディーがAの音に帰りたがっているのがわかるかな
これは、Aの音がAマイナーという音空間における中心であり、帰り着くべき家のようなものだから
まるでAマイナーという世界の中心にはAという強力な磁石があって、常に強い力で引き寄せられているような
そんな感覚
キーの中心感覚
このトニックに帰りたがる「キーの中心感覚」が身につけば、自然とインターバルの感覚をつかめるようになる
その音がトニック(中心)からどれだけ離れているか、という感覚
音と図で説明
キーの中心感覚が身につくと、こんな感じでまずそのキーの中心となる軸がイメージとして存在していて、聴いた音がその軸からどれぐらいに位置しているかが視覚化される
ペンタトニックは中心感覚をつかみやすい
ペンタトニックは音数が少ないので、インターバルをつかむ訓練には持ってこい
その感覚を身につけるための練習方法