リリース | 1995/04/05 |
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収録アルバム | ハチミツ |
作詞 | 草野正宗 |
作曲 | 草野正宗 |
Contents
【ロビンソン】のコード進行と歌詞

コード
コードネームを実音で表しています。クリックするとそのコードの音が鳴ります。
度数
- メジャーのトニックを❶
- マイナーのトニックを❻m
とした場合の度数を表しています。ノンダイアトニックコードは赤文字で表記しています。
3和音
❶ | ❷m | ❸m | ❹ | ❺ | ❻m | ❼m-5 |
4和音
❶△7 | ❷m7 | ❸m7 | ❹△7 | ❺7 | ❻m7 | ❼m7-5 |
イントロ
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸m7 | ❸m7/❻ | ❻m |
歌詞 |
×4
Aメロ
コード | ||||
度数 | ❶ | ❷m7 | ❺ | ❻m |
歌詞 | 新しい | 季節は | なぜかせつ | ない日々で 河 |
コード | ||||
度数 | ❹ | ❶ | ❹ | ❺ |
歌詞 | 原の道を | 自転車で | 走る君を追い | かけた |
コード | ||||
度数 | ❶ | ❷m7 | ❺ | ❻m |
歌詞 | 思い出の | レコードと | 大げさな | エピソードを 疲 |
コード | ||||
度数 | ❹ | ❶ | ❹ | ❺sus4 ❺ |
歌詞 | れた肩に | ぶらさげて | しかめつら | まぶしそうに |
Bメロ
コード | ||||
度数 | ❸m7 | ❻m | ❷m7 | ❺7 |
歌詞 | 同じセリフ | 同じ時 | 思わず口 | にするよな |
コード | ||||
度数 | ❸m7 | ❻7 | ❷m7 | ❺7sus4 ❺7 ❸7sus4 ❸7 |
歌詞 | ありふれたこ | の魔法で | つくり | あげたよ |
サビ
コード | ||||
度数 | ❹ | ❺/❹ | ❸7 | ❻m |
歌詞 | 誰も | 触れない | 二人だ | けの国 |
コード | ||||
度数 | ❹ | ❺ | ❸m7 | ❸m7 |
歌詞 | 君の手 | を離さぬ | ように |
コード | ||||
度数 | ❹ | ❺/❹ | ❸7 | ❻m |
歌詞 | 大きな | 力で | 空に浮 | かべたら |
コード | ||||
度数 | ❹ | ❺ | ❻m | ❻m |
歌詞 | ルララ 宇 | 宙の風 | に乗る |
新しい季節は なぜかせつない日々で
河原の道を自転車で 走る君を追いかけた
思い出のレコードと 大げさなエピソードを
疲れた肩にぶらさげて しかめつら まぶしそうに
同じセリフ 同じ時 思わず口にするような
ありふれたこの魔法で つくり上げたよ
誰も触れない 二人だけの国 君の手を離さぬように
大きな力で 空に浮かべたら ルララ 宇宙の風に乗る
片隅に捨てられて 呼吸を辞めない猫も
どこか似ている 抱き上げて 無理やりに頬寄せるよ
いつもの交差点で 見上げた丸い窓は
うす汚れてる ぎりぎりの三日月も僕を見てた
待ち伏せた夢のほとり 驚いた君の瞳
そして僕ら今ここで 生まれ変わるよ
誰も触れない 二人だけの国 終わらない歌ばらまいて
大きな力で 空に浮かべたらルララ 宇宙の風に乗る
大きな力で 空に浮かべたらルララ 宇宙の風に乗る
【ロビンソン】のコード進行を分析
イントロ
いきなり分数コードが登場
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸m7 | ❸m7/❻ | ❻m |
歌詞 |
イントロはこの4小節を4回繰り返します。
特徴的なのは3小節目の❸m7/❻
ですね。分数コードになっていて面白い響きがします。これについての個人的な解釈としては、コード進行の原型としてまず
❹△7 →❸m7 →❻m
という3つのコードからなる進行があり、これをいじった形として
❹△7 →❸m7 →❸m7/❻ →❻m
という4つのコードになったのでは、という感じです。
ではどういじったのかというと、原型である
❹△7 →❸m7 →❻m
の着地点は❻m
なわけですが、いきなり❸m7 から❻m に行くのではなく、「その間に❸m7/❻ をかます」というものです。コードを繋留させて「かます」
で、このような「コードの間にコードをかます」という手法はよく使われているんですが、たとえば
- sus4をかます(4度の音を繋留させる)
- セカンダリードミナントをかます
- 経過音を挟む
という風にその手段もたくさんあります。
ではこのロビンソンのイントロの「かまし」はどんな手法かと言うと、「コード単位の繋留」です。繋留というのは「つなぎとめる」という意味です。
ではイントロのコード進行である
❹△7 →❸m7 →❸m7/❻ →❻m
においてナニがつなぎとめられているのかと言うと、2小節目の❸m7
です。3小節目を見てください。ベースが一足先にこのコード群の着地点である❻m
のルート音のF#を鳴らしています。これはベースが先走ってF#に着地していると言うよりは、❻m
こそが本来3小節目で鳴らすべきコードなのだと解釈するほうが自然です。3小節目で本来❻m
を鳴らすべきところを、ギターなどの上モノはその手前の2小節目のコードである❸m7 を鳴らしたままなのです。これが繋留です。3小節目に突入しても、❸m7
を鳴らして2小節目の音でつなぎとめているんです。聴いているほうからすると、じらされているような印象も受けます。「早く❻m
に着地しろよ!ベースはすでに着地してるだろ!」って思ってしまいます。そして1小節遅れて上モノも❻m
に着地するというわけです。結果として、この一連の流れを記号で表すと
❹△7 →❸m7 →❸m7/❻ →❻m
になるというわけですね。
sus4コードの4度の音が遅れて3度に着地するのと同じように、手前のコードを繋留させて遅れて着地させたわけです。
はたして、草野氏がこのように意図して作ったのかはわかりませんが、先人の曲をこのように分析することで曲作りの引き出しを増やすことにもなります。
Aメロ
↑Aメロから再生されます
コード | ||||
度数 | ❶ | ❷m7 | ❺ | ❻m |
歌詞 | 新しい | 季節は | なぜかせつ | ない日々で 河 |
メジャーのトニックである❶
から始まり、1度上の❷m7 に進行。次に❺ に進行。ここはシンプルなツーファイブの動きです。そして❺
から❶ に進行すると見せかけて、マイナーのトニックである❻ に進行。コレを偽終始といいます。「空も飛べるはず」のAメロでも、同じコード進行が使われています(7thの違いはありますが)。
そして❻
から、5小節目の❹ に降ります。コード | ||||
度数 | ❹ | ❶ | ❹ | ❺ |
歌詞 | 原の道を | 自転車で | 走る君を追い | かけた |
サブドミナントである❹
からトニックの❶ へ、そしてまた❹ に戻って次は❺ へ進行。このコード進行は「チェリー」のAメロの「産まれたての太陽と〜」の部分と同じですね。
ここまでで8小節です。
16小節目はsus4で分割
また8小節同じような進行を繰り返すのですが、最後の16小節目だけが変化しています。
コード | ||||
度数 | ❹ | ❶ | ❹ | ❺sus4 ❺ |
歌詞 | れた肩に | ぶらさげて | しかめつら | まぶしそうに |
16小節目はただの❺
ではなく、❺sus4 →❺
となっています。
❺
の前に❺sus4 が挟まれていることで、8小節目とは少し雰囲気が変わっています。Bメロ
↑Bメロから再生されます
定番の「❸❻❷❺」
Bメロは
❸m7 →❻m →❷m7 →❺7
という定番のコード進行です。4度上昇を繰り返しています。
コード | ||||
度数 | ❸m7 | ❻m | ❷m7 | ❺7 |
歌詞 | 同じセリフ | 同じ時 | 思わず口 | にするよな |
そしてBメロの5〜8小節目。
コード | ||||
度数 | ❸m7 | ❻7 | ❷m7 | ❺7sus4 ❺7 ❸7sus4 ❸7 |
歌詞 | ありふれたこ | の魔法で | つくり | あげたよ |
1〜4小節目と同じような進行ですが、ちょっと変わっています。
6小節目はノンダイアトニックコードのF#7
まず、6小節目が❻7
になっています。Bメロ前半のパターンでいくとここは❻m になるところが、3度の音が半音上がってメジャーコードになっています。メロディーラインも「ありふれたこの魔法で」の「魔」のところが❻7
の3度の音であるA#になっていることがわかります。❻7
はこの曲のキーにおいてノンダイアトニックコードであり、かつ2小節目の❻m との対比もあってフワっと明るく浮いたような雰囲気が出ています。他のコード進行のサイトではここのコードが❻m
になっているものがありますが、正しくは❻7 です。注意しましょう。8小節目はsus4で分割
そして最後の小節では
❺7sus4 →❺7 →❸7sus4 →❸7
というように4つにコードが分かれています。
一見複雑に感じるかもしれませんが、難しいことはありません。
要は大きく捉えるとただの
❺7 →❸7
であり、それぞれのコードの手前にsus4をかましているだけにすぎないのです。
サビ
↑サビから再生されます
間奏
コード | ||||
度数 | ❹△7 | ❸m7 | ❸m7/❻ | ❻m |
歌詞 |
イントロと同じコード進行です。2回繰り返して8小節。
大サビ
アウトロ